男はつらいよ(第1作)2025年05月08日 22:46

今更ではあるが、「男はつらいよ(第1作)」を観た。20年ほど前は寅さんシリーズを、よくサンTVで放映していたのだが、日曜日の昼下がりが多く、途中で外出したりなどで、じっくりと観れなかった。その後コンテンツとしての評価が見直されたのか、TVでは放映されなくなっていたが、今回、アマゾンプライムで観ることができた。中学生の時に父親と大ゲンカをして家を飛び出した車寅次郎が、20年ぶりに故郷・葛飾柴又に帰ってくるところから物語は始まる。美しく成長した妹・さくらと再会を喜びあう寅次郎だったが、さくらの見合いの席で大失態を犯し、縁談をぶち壊してしまう。その見合いの席上での、見合い相手とのやり取りの、渥美清の圧倒的な演技力は見事というしかない。そして再び旅に出た寅次郎は、奈良で偶然に幼馴染のお嬢さん冬子(新派のトップ女優・光本幸子)に出会い、その行き着く先は、この後のシリーズでおきまりの結末となるが、さくらと博は、寅さんの介入などもある中、紆余曲折を経て、めでたくゴールインとなる。披露宴の席で、新郎の父役の志村喬の挨拶には胸を打たれる。登場人物がそれぞれ人情に溢れ、その大切さを再認識させてくれる大変良質な映画である。